SAP Tips1 移送の話

CTS(移送/修正システム)について
 
 ①全体像
  CTO(移送オーガナイザ)
   ・Tr-cd:SE09 移送の登録
   ・TMS(移送管理システム)
    Tr-cd:STMSで移送の設定、移送依頼のインポート
   ・OSレイヤのツールとして、tp、R3transが用意
   ・DBレイヤのツールとして、RDDIMPDPが用意
   
   
○クライアントについて
 大きく以下3つが必要
  ①CUST(開発及びカスタマイジング)
   カスタマイジング等の調整が行われる環境
  ②QTST(品質保証)
   アプリケーションの新しいカスタマイジング設定とテスト及び
   検証に使用する。
  ③PROD(本稼動)
 
 その他必要に応じて用意するもの
  ④SAND(プレイグラウンド)
   カスタマイジングトランザクション
    カスタマイジング設定の実験環境
  ⑤TEST(テスト)
   単体テスト実施環境
  ⑥TRNG(トレーニング)
   エンドユーザトレーニング環境
   
○システムとクライアントの変更オプション
 各クライアントの変更オプションについて
 ⇒リポジトリオブジェクトとクライアント非依存
  オブジェクトが全体的に修正可能か設定
  
  設定変更方法:Tr-cd:SE06>システム変更オプション
  設定内容:
       ①修正可能
        すべてのオブジェクトを変更可能
       ②制限付きで修正可能
        オブジェクトを非オリジナルとしてのみ登録可能
       ③修正不可:拡張のみ可能
        変更不可、オブジェクトは拡張フレームワークを使用した場合のみ拡張可能
       ④修正不可:拡張不可
        変更及び拡張不可

○移送ディレクトリに必要なサブディレクト
 /bin tpとTMSの設定ファイル
     tpTP_<ドメイン名>.PFL
     TMS:DOMAIN.CFG
 /buffer 各システムの移送バッファ
 /data エクスポートされたデータ
 /cofiles 移送タイプ、オブジェクトクラス
 /log 移送ログ、トレースファイル、統計
 /tmp 一時データとログファイル
 /actlog 全タスクとと全依頼のアクションログ
 /sapnames 各SAPユーザの移送依頼に属する情報
 /EPS SAPサポートパッケージのダウンロードディレクト
 
○TMSの代表的な機能
 ①システムランドスケープや移送ドメインにおけるSAPシステムの役割
 ②移送ルートの設定
 ③tpのパラメータプロファイルの設定
 ④移送ドメイン内すべてのインポートキューの表示
 ⑤品質保証システムの承認手続きの定義
 ⑥インポートキューにある移送依頼のインポートのスケジュール
 ⑦共通移送ディレクトイを使用しないシステム間の移送の実行
 
 ○各種役割
 ・移送ドメイン
 同一のTMSで管理しようと計画しているすべてのシステムで構成される。移送ドメイン内の
 システムは、すべて一意のSIDで設定される
 
 ・移送ドメインコントローラ
 TMSのすべての設定が更新されるシステムのこと
 
○移送ドメインの設定
 
 システムインストール後、初めてTMSを使用する際は、TMSを初期化するよう自動的に求められる
 TMSはクライアント000にログオンして初期化する必要がある。
 TMSを設定するには、「S_CTS_ADMIN」が必要
 ⇒TMSを初期化すると以下アクションが自動的に行われる
 
 クライアント000で必要な処理
  ①移送ドメインコントローラとして割り当て
  ②移送ドメイン名の登録 DOMAIN_<SID>
  ③移送グループの登録 GROUP_<SID>
  ④システムユーザTMSADMの登録
  ⑤RFC宛先登録
  ⑥移送ディレクトリの/binでのファイルDOMAIN.CFGの登録
  
  
 移送ドメイン内のシステムは、RFCを使用して相互に通信する。
 RFC通信でアクセスするにはユーザIDが必要だが、これからはTMS初期化
 時に自動生成される
 
 登録されるRFC宛先
  TMSADM@<SID>.<ドメイン名> 移送設定の配信用
  TMSSUP@<SID>.<ドメイン名> インポートのスケジュール用 ※RFCユーザは挿入されない。
  
○移送ルートの設定
 各システムの役割と変更依頼のフローを指示する。
 

 

SAP R/3システム管理ガイド (SAP公式解説書)

SAP R/3システム管理ガイド (SAP公式解説書)